故人の借金は相続すべき?後悔しないために知っておきたい対応方法!

カードローンなど、手軽に利用できる借入方法が提供されるようになり、これまで以上に借入を利用している方も増えています。借入によって資金を得て、快適な生活をエンジョイできる反面、借金が関係する悩みの声も増えてしまいます。

借金に関する悩みというと、お金が返せないというものが一般的ですが、それだけではありません。ときには、「親族が亡くなったのだが、故人が借金をしていた」という実に悩ましい声が聞かれることがあります。

カードローンなどが普及し、借入にかかる手間などないに等しいまでに簡単になりました。何せ、これらのサービスはATMを利用するだけで資金を借り入れることが可能です。利用者にとっては借金をしていることが不用意に知られない方法としても人気です。

ところが、人生とはわからないもので、急な事故や病気によって、借金をしたまま亡くなる方ももちろんいらっしゃいます。こうなるとカードローンの手軽さがアダとなることもあります。気軽に借りられるからこそ、故人が思いがけない額の借金をしていたり、そもそも借金をしていることを誰にも言っておらず、親族の誰も知らなかったり、残された家族にとっては対応に慌てることもあるでしょう。

このようなケースでもっとも気になることといえば、「故人が借金を残して亡くなった場合、その借金は相続する義務があるのか」ということでしょう。借りた以上は返すのが道理。故人が借りたままになっているものがあるなら、それを相続して返さなくてはならないのかと青くなっている方がいらっしゃっても無理はありませんね。

この点ですが、慌てる必要はありません。なぜなら、故人が残した借金について、絶対に遺族が相続して返さなくてはならないという決まりはないからです。もちろん返せる額であるなら返したほうがよいでしょうが、法的には額の大小に関わらず、遺族に返済の義務はありません。

ただし、これは「遺産を相続しなかった場合」です。遺産とは、プラスの遺産である資産や財産とマイナスの遺産である負債を両方合わせたものです。プラスもマイナスも合わせて「故人の遺産を相続しない」という選択をした場合は、返済の義務はありません。もし「遺産を相続する」という選択をした場合、プラスマイナスを問わず、故人の遺産を引き継ぐことになりますから、借金については当然返済の義務が発生します。

遺産を相続しないという決断によって返済の義務がなくなる理由ですが、これは単純に、「相続は理由を問わず放棄できる」からです。故人の遺産を相続しないというのは、故人が負っていた権利や義務を誰も引き継がないということですから、故人が持っていたものはすべて所有者・負債者不在のものとなるわけです。そうなってしまえば、借金に関しても遺族とは何の関係もないものになり、当然返済の義務も遺族には及ばないというわけです。

そのため、亡くなった故人に借金があることがわかったら、親族でしっかり話し合うとよいでしょう。借りたものを返さないということに後ろめたさを感じる方もいらっしゃいますが、借金を相続するというのは、自分一人だけの問題ではありません。借金の額によっては親族全体に影響が及ぶ可能性もあります。無理せずに適切な判断を心がけましょう。

ちなみに、相続を放棄する手続きは、相続から3か月以内となっています。ある程度の時間的猶予がありますが、借金を引き継ぎたくない場合は速やかに相続放棄手続きを終わらせるのが確実です。

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